「折角ですが俺は女ではありませんから、シュラ」と、紫龍は包みをつっかえす。予想通りに。
「装飾品は必要有りませんし、第一、貰ういわれがありません」 
声は努めて冷静であろうとしているのが判る。余計に挑発じみたことを云いたくなる。
「もちろん。ちゃんとモノは見させて貰ったからな。俺が一番良く知っている。だから、
これは単なるプレゼントだ。────美しい想い出のな」

 紫龍の座るソファの後ろに廻る。髪を掻き上げて、細い首にネックレスを付ける。東洋人の肌に真珠はよく似合う。子供は掛けたネックレスを乱暴に引き千切る。真珠はころころと音を発てる。ひゅーと、口笛をならす。

「気に入らなかったか?上質のパールだぞ、白じゃなくて、乳白色の天然物。お前の髪と肌に映えそうなのにな。
コレくらいの大粒になると、値段も張るんだがな。それとももっと、イイモノが欲しいのか?」
「貴方から頂く物なんて何もありません。────離してください。帰ります」

「────この前はあんなに喜んでいたじゃないか。それとも入れて欲しいのか、コレも」
 ぐっと唇を噛んだ。嘘が付ける気楽な性格ではない。
「単にあの時は酒に酔っていただけです」
「酒だけか?」

 食事に誘って、その足で飲みに連れていった。仲間内を抜かして、外で飲むのは初めてだと、彼は笑った。
したたか酔わせる。足下は憶付かず、シュラは抱き上げて、城戸邸にも送らず、天秤宮にも戻らせないで、磨羯宮の寝室に連れこむ。ベットに下ろす。子供はすぐにシーツに懐く。長い髪が絡まないように、外に散らして遣る。

「おみず……」と、声がしたので口移しで与える。紫龍は素直に飲み干す。何度も欲しがる。ペットボトルの水が無くなる。与えているのが水なんだか、膵液なんだか判らなくなる。気持ちがいいのか、紫龍はされるがままになっていた。
「暑いか、紫龍?」
 耳元の声に紫龍は頷く。こくり、頷く。
「脱がしてやろうか、全部」
「ありがとうございます、シュラ」

 万歳をさせて、べとべとの着衣を投げ捨てる。パンツもズボンも引っ張る。裸になると、まだ体温が移ってない部分を求めて、端の方に転がっていく。ころころと。

「子供だな、お前」と、髪を撫でながら囁いてやる。
「そんなことあ、ありません」呂律が回らなくて旨く喋られない。
「本当に?」唇は忙しく紫龍の身体を嘗め回す。子供から苦情が飛ぶ。
「汗掻いているから、汚いですよ」
「だから、綺麗にしてあげているんだ。ほら、気持イイだろ」

「くすぐったい」と、紫龍は笑う。そのまま男にすり寄って、やがて寝息が聞こえる。
背中を指で辿り、割れ目に到達する。中指を入れる。紫龍は軽く寝返りを打つ。ゼリーを取り出す。
一本、穴に注いでやる。もう一本、指を増やしてみる。子供が目を覚ます。

「しゅ、ら?」戸惑う唇に口付けをする。
「冷たくて、気持イイだろ?」
「うん」と、何も知らない子供は頷いて、目を細める。
「もっと、欲しいか?」
「うん、欲しい。────あっ」

 身体の何処かにちくっと痛みが走る。一瞬だけで、すぐさまソレは変化を遂げる。子供が知らない。
甘い痺れ。そして……。

「────じじいに何かを云われたのか?」
 当然、紫龍の顔が怒りに昂揚する。
「老師は関係は在りません。俺が自分で考えたんです」
「自分でね。そうだよな、知られたくないはずだもんなあ」トントンとシュラの指がソファの背もたれ叩いている。
その音がやけに耳に障る。障らせる。さっきから捕まれている髪が気になっている。気にならない振りをする。

「……それで?」
「えっ?」
「単なる確認だよ、俺はお前の嫌がることはしたくないんだ」
「一番酷いことはもう、しているじゃありませんか、貴方は」
「酷いって、Sexのこと?あんなに喜んでいたのに?アレは過ちで無かったことにしたいんだ」
「────無かったになんて、出来ません」
「でも、もう触れないで欲しい?こんな風に?」

 ソファに紫龍を縫い込める。目が恐怖と驚愕と僅かの別のモノで見開かれる。そのまま紫龍の口を貪る。膵液が顎を伝って、こぼれ落ちる。チャイナ服を引き千切る。馬乗りになる。自分の身に起こったことを把握できないで居る。
「非常時にセブンセンシズが目覚めた位で、粋がるな。────黄金と青銅が同等に肩を並べられるはずないんだからな」
「だからって、貴方が俺を自由にしていい権利はありません。俺の身体は俺のモノです」
「だったら、死体になってみるか?俺は別にお前が生きていても、死んでいても構わないんだ。
────入れられればな」

「ヘンタイ」
 黒い瞳がシュラを糾弾する。憎悪に満ちている。
「そのヘンタイ相手に犯されているのは誰だ?」
 伸びた紫龍の手を掴む。そのまま片手で両手を押さえ込む。抵抗を封じ込めるためではない。
立場の差を明確にする。────にも関わらず紫龍は抗い続ける。シュラは構わずに進んでいく。
「何をするんだっっ!」
「莫迦、この体勢からやることなんて一つに決まっているだろ」

 下着を剥ぎ取る。萎縮している紫龍を無視して、足首を掴み、穴を押し広げる。そのまま抉る。身体をくねらせて、この状態から逃げようと懸命になる。その微妙な振動が楔を更に大きくしている。紫龍の声が聞こえる。
「止めろ、シュラ」
「────このまま俺だけを感じていたいのか?欲張りだな」
「違うっ、俺を離せ、はなせっ」
「でも、最初はお前が俺を呼んだんよな」

 打ち込んだままで紫龍の状態を起こす。揺さぶり続ける。逃げようとした腰を引き寄せる。しっかと抱きしめる。胸の中に居る紫龍が絶望に支配される。
「お前が俺の名前を呼んで、ぎゅっとしがみついているから、だから、入れて遣ったんだろう。一晩中、抱き寄せて上げていたんじゃないか。涙が乾いて、呼吸が楽になっても、俺に抱かれたままでいるから、そのままにしておいてやったんだろ。離れないように、離さないようにな。そのうち、腰を動かすようになって、あそこを締め付けて俺を銜えて離さなかったよな」

「そんなこと、しない」
「帰る時はこっそりだもんな。起こしてくれたら、ちゃんと送って上げたのに。……入れながらな」
「黙れっ、────ひぃ」
 少し突き上げて遣ると又、大人しくなる。紫龍は体内の異物を感じている。翻弄されないように懸命に耐えている。せめぎあっている。プライドと快楽の均衡は辛うじて保たれている。天秤に重しを載せる。

「コレ、欲しくならなかったか?」
「そんなヘンタイ、お前だけだ」
「知らないだけで結構モテモテなんだぜ、お前。後ろ盾が恐いから、手を出されなかっただけだ。判るか?お前は自分で身を守っていたんじゃない。単に護られていただけだ。じゃなかったら、今頃、穴だらけだぜ。ま、その大事な老師様も男の銜えてよがっているようじゃ、逢わせる顔が無いけどな」

「よがってなんて、いない」
「でも、ココは一人で弄くったんだよな?気持ち良かったろ?まあ、俺には叶わなかったろうがな」
「するわけないっ。…あっん」
「じゃあ、誰も触ってないんだな、ココ」
 怯えた肉を掴むと掌で柔らかく包む。指でそっとなで回す。

「俺は・・・、こんな汚らしいこと嫌いなんですっ、……離せ」
「髪を撫でて、イイコイイコして腕枕はされてもいいのに?血で濡れた手を拭ってくれる唇と可哀相って抱きしめてくれる腕は欲っしていたんだろ」
 紫龍の頬が昂揚する。
「嘘だ、俺にはそんなモノ、必要ない」
「────やっぱ綺麗だな。お前」
「なっ」
「怒った顔が綺麗なのは本当にべっぴんさんの証拠だよな」
「話を逸らすな」
「判っているよ。必要なのは俺だけだ」
「俺は、やっ────」

 懸命に呑み込もうとしても、声は漏れ続けている。耳元に問いかける。
「俺は、何だ?」
「離せっ、しゅら、」
「どっちを?」 
 熱く波打っていくソレの根元をきっちり占める。余った指で先端を撫でる。紫龍はシュラの胸で震えている。
「両方、離せっ」
「だから、どっちか一つはお前の好きにして遣るよ。前か、後ろかな。欲張るなよ」
 答えられなかった。限界だった。シュラの手がもみ砕く。腰が深く押し進ませられる。耐え抜いた熱い体液が噴射される。シュラの手が白く汚れる。紫龍は大きく息を吐くと、シュラに倒れ込む。力の抜けた身体が抱きしめられる。男は囁く。

「お前の正しさを証明したかったら、行動で示してみるんだな」


 二回目はそのまま前から。抜いた瞬間に逃げようとするので後ろから羽交い締めにして、座ったままやる。重力で根元まで食い込む。それでも手を突っ張らせて、この檻から逃げようとする。剥き出しの前をいじってやると、少しだけ力が抜ける。又深くに抉る。紫龍が揺らめく。繰り返される。三回目は頭を押さえつけて、後ろから責める。挿入の角度を変える度に紫龍の口から掠れた声が漏れた。

「俺に、────触るな」
「本当にソレでいいのか?」
 四回目にやっとベットに下ろす。移動の間もずっと繋がったまま。抵抗していた黒い瞳が動かなくなる。舌を刺しいれる。ぱちぱちと頬を叩く。目は開かれる。死んだ魚の目。呼吸を送る。唇が下がっていく。胸の突起物をこね回す。すぐピンとなる。囓ってなめ回す。キャンディーよりも甘い。上下している胸の上に真珠を転がす。赤く咎って熟れた実の隣りに白い玉。

「お前、白が似合うよな」
 小さな粒を銜えて紫龍の胸の上を行き来する。指とも舌とも違うひんやり冷たく、柔らかい感触。今度は目から真珠が零れる。舌ですくってやる。入れるなと紫龍が云っていたことを思い出す。
「だったら、こっちなら、いいのか?」
 真珠を押し込んでやる。一つずつ、一つずつ、入れ込んでやる。指で奥までしっかりと押し込む。声はすっかり枯れている。

「やぁだ、シュラあ」
「やっぱりこっちの方がいいんだな」
そのまま何度目かの挿入と放出をする。収まりきらない体液が溢れ出してくる。秘所がひくついている。赤い血も出ている。もうぐしゃぐしゃだ。
「いや」と、紫龍のすすり泣きが聞こえる。
「何で、こんなことするんですか?」
「さあ、どうしてだろう。考えてごらん」
「貴方のこと、そんけいしていたのに……」
「尊敬なんて、されたくなかったからだよ」

 返事は無い。子供の泣き声だけが響いている。痛みに寄るものか、快楽によるモノなのか、判断がつかない。
シュラは苦笑する。
「判らないか?だから、教えて上げているんだよ。人を愛するっ
て事は全てを投げ出すって事じゃないことをな。────全く、お前は手を掛けさせる」



 シュラは紫龍の尊厳を砕く。裸にして、紫龍の一番嫌いな何も出来ない無力で哀れな子供にする。見せたくないモノを見せつける────。

 嗚呼、なのに。シュラの手が紫龍の髪を撫でている。繰り返される。その手を、どうして振りほどけないのだろう。





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