黒い長い髪とか。
ピロシキをこねてくれる手とか。
少し細い長い指が、傷だらけの手が俺の髪を
気持ちいいと触ってくれる。
でも、知っている。
そんなことは、おまけで、そんなパーツは関係なく、
君がにっこり笑ってくれると、胸の奥がぎゅっとなる。温かくなる。
だから、いつも思っている。君が僕と同じ気持ちで居てくれるように。
「氷河と居るとほっとするな」
「えっ?」
「その、うまくは説明できないのだが、その……」
と、口ごもるので、氷河は紫龍の唇を自分のそれで塞いだ。
「つまり、こうゆうこと?」
「まあ、当たらずも遠からずだな」
ということなので、僕たちはもう一度、口づけをした。
一度だけじゃなくて、もっと、もっと。